小坂達広

映像マーケッター

小坂達広 facebook

Tatsuhiro Kosaka

あなたのWill(理念)を教えてください。

Rock the World

あなたのVision(ビジョン)を教えてください。

それぞれがもっと自分らしく生きられる世界を創る

あなたのFan(好きなこと)を教えてください。

Willforward、ギター、Rock、国際関係論、星新一、ウィスキー(ハイランドパーク18年)、クロノトリガー、マザー2

プロフィール

1989年石川県小松市生まれ。トンカチや木材が放置されている東寺尾幼稚園にてクリエイティビティを培い、小中学時代は絵画、作文、演劇などで数々の賞を受賞する中で表現力を磨く。高校時代は自身の表現手段を音楽に定めバンドを組み、TV出演。同バンドでの武道館ライブを信じてやまなかったが大学時代に解散、同時期に独学にて映像制作を始める。ウィルフォワード映画祭への参加を機にウィルフォワードと出会い、培って来た表現力を武器に2012年4月からインターン生を経て、ウィルフォワードのメンバーとして活躍している。主な作品に、RIZAPのトレーナーに焦点を当てたドキュメンタリー「the Polestar」シリーズ(宣伝会議掲載)がある。

ロックがお好きと聞きましたが。

高校生のときからロックミュージシャンに憧れてエレキギターをやっていたので、音楽としてのロックは大好きです。ただ今はロックをすこし違った風に捉えていて、それは生き方というか。つまり、ガチャガチャうるさくて派手なロックってわけじゃなくて、これは僕の解釈なんですけど、ロックって現状に対するアンチテーゼをしていこうっていう姿勢やメンタリティーだと思うんです。常識や習慣にたいして疑問を投げかける。どんなときでも一切のしがらみに囚われずに、自分の感性で思う事を作品として表現してる。その姿勢が、ギターを始めた頃の僕にとっては新鮮で、何よりかっこいい!と思ったんですよね。というのも、中学時代に言うところの「いい子ちゃん」で成績がよかったので「こうあるべき」「こうしたほうがいい」みたいな思考が強かったんですよね。当時から自分の中に違和感はあったんですけど。だから、そこで溜まっていた歪みというか、本当の自分と周りに求められている自分が離れていってる感じがする中で、バシッと入ってきたのがロックなんですね。このあたりの経験が、自分のVisionでもある「それぞれがもっと自分らしく生きられる世界を創る」ってところにつながってるかもしれませんね。

映像クリエイターとしては、どんな「ロック」をしているんですか?

映像は大好きですが、あくまで手段です。その中の作品性は大切ですが、どう使うかも同様に大切だと思っています。例えば、鉄も切れる日本刀があったとして、しかし使ってもらえなければ形式美でとどまってしまう。芸術という範囲で言えばとても素晴らしいことだと断った上で、僕が現在クライアントと作らさせていただいているのはあくまでビジネスに使用する映像ですから、ただ「綺麗」「芸術的」で終わってしまってはもったいないんです。例えば「綺麗な映像」であれば、当然のことですが、それが綺麗である理由が必要です。
僕は飛行機が大好きなので、航空会社のCMを例にあげると、大好きなものにシンガポール航空の2011年のCMがあります。

日本国内のエアライン満足度ランキングで、3年連続1位を獲得するなど、機内サービス、接客、機材設備などあらゆる面で高いサービスを実施している航空会社だけあって、洗練された綺麗なブランドCMですよね。シンガポール航空のブランドイメージを反映させた素晴らしいCMで、ここには洗練されたものである必要性を感じられます。では、これが例えばLCC(格安航空会社)のAirAsiaのものだったらどうでしょうか。このCMでは響かないですよね。もっと、価格の安さが満足につながるということを伝えるものにするか、浮いたお金を使って旅先で遊べることを伝えたりするのもいいかもしれません。また、AirAsiaは創業した社長の想いが「東南アジアの人々にとっては高価格の飛行機に乗れない人がもっと気軽に乗れるようにしたい」というものなので、そういう部分をアピールするものもいいかもしれません。それは映像の内容についてですが、例えばそれを空港でのキャンペーンと合わせてやろう、とか、機内でのサプライズの企画としてやるのはどうでしょうか、とか、映像を使ってどうするかという部分が大切だと思っているんです。
もちろん、イメージブランディングだけに限らず、商品の購買を促すようなものや、採用へ繋がるもの、社内の教育など色々な用途がありますが、端的に言えば、結局映像単体でどうにかなるものではないという話です。その中で日頃大切にしているのが、クライアントの真のニーズを引き出した上での企画ということです。
例えば過去に、「社内研修のときに従業員の学びになる研修ビデオを作って欲しい」というというご依頼があったのですが、ご要望としては「研修講師が研修している映像をとって流したい」というものでした。確かに、従業員の学びにはなると思います。しかし、最善の解決策でしょうか。例えば病気になったときに、お医者さんに看てもらうじゃないですか。その時って、自分の病状と病気を正確に自分では伝えられないですよね。ちゃんとプロに診断してもらって、一番効く薬を処方してもらいます。それと同じで今回のケースであれば、映像のゴールは映像を見た従業員のモチベーションが上がり、現場で日々継続的に頑張ってもらうことにほかなりません。そうなったときに僕らがご提案させていただいたのは、研修の内容として話すようなことを既にやっている従業員の方のドキュメンタリーを作り、その人が何故そのような働き方をしているのか、どのような考え方でここに至ったのかなどをストーリー形式で伝え、真似をしてもらおうというものでした。これは、パーソナルトレーニングジムRIZAPでの事例です。この企画は毎月の研修時に1エピソードずつ流すシリーズドキュメンタリーとなりました。

この「the Polestar」というシリーズは社内でとても人気で、教育をエンターテインメントでやるという手法もさることながら、ここに選ばれることがひとつのステータスやモチベーションにもつながるという効果や、外部に公開しているので、この映像を見てRIZAPのトレーナーになりたいと思い応募してきた人であったり、the Polestarを見た一般の方が、「この人にトレーニングして欲しい!」とご入会いただいたケースなどの副次的な効果も生み出しました。これは一例ですが、このように、今まで誰も考えつかなかったような映像を使った企画を通して、世の中がほっこりしたり、見た人の日々が充実したり、笑顔になれるようなもの、言うところの感動という価値を生み出していきたいんです。そして、外してはいけないのが、それがクライアントにとっての成果に繋がり、心から喜んでもらえるものであるという部分ですね!

なるほど・・・それが、小坂さんの「映像マーケッター」という肩書きにつながるわけですね!

そうですね。僕は、映像を使って世の中に面白いことを仕掛けるということをやっているので、ここの部分は大切にしたいですね。こういう観点を持ちつつ、映像を実際に撮影編集するというクリエイターもあまり多くはないと思うんです。普通は分業していますし。僕は、ただ単純に「映像を作りたい!」という動機で映像の仕事を始めましたが、漠然と「いい作品を作りたい!」といつも考えながら制作している中で、ある日思ったんです。映像の善し悪しって必ずしも作品のクォリティだけではなく、それをどう活かすかによって決まるんだ、って。 少し前に有名になったyoutubeを使ったCMで、サントリーの「忍者女子高生」とかもありましたけど、あれとかはまるでホームムービーのようなテイストで撮っているじゃないですか。

これがひとつの演出であるわけですけれども、映像を始めたてのころの僕は、いいカメラを使って高画質で高音声で派手なエフェクトがあるものが「クォリティが高い良い映像だ!」と思っていたので結構衝撃的だったんです。大切なのは、映像の企画。いわゆるクォリティが高い映像というのもまた、ひとつの手段に過ぎないんだと思ったんです。だとしたら、自分の求めている「いい作品を作りたい!」という想いを満たすためにはどうしたらいいのだろうという問いに対する答えは、もっと企画に関わりを持つということでした。そうやって、少しずつ映像制作の川上へと登っている感じです。

映像を使ったいい企画だ!と思ったものとかってありますか?

サントリーさんが連続で出てきてしまうのですが、松岡修造×CCレモンのキャンペーンですね。
ご存知、元テニスプレイヤーで、とにかく熱い男、松岡修造さんが応援歌を作り、自ら踊りながら歌を担当しているキャンペーンで、なんと100パターンものPVがあるんです。それぞれ、よくある名前やニックネームを100種類(「こばやし」や「たっちゃん」、「お母さん」、「社長」など)用意して、松岡修造が名前を呼びながら応援してくれるというものです。
僕が松岡修造さんのことを好き、というのもありますが、純粋に映像を使った企画として素晴らしいと思います。タレントのキャラクターを最大限活かすという点で、この企画は松岡修造さんにしかできないですし、まるで旅行に行ったときにキーホルダーに自分の名前があると買ってしまうような感覚で、100種類の映像を用意するというアイディアは、SNSによってバズが起こる今の時流に乗っています。歌の内容が応援ということで松岡修造さんの熱さに少し笑いながらも元気をもらえますし、自分の名前のものや、友人の名前のものをたまらずシェアしたくなりますから。そして、この100本という数の映像を提供するのはweb映像ならではの特性をしっかり踏まえています。最後に、松岡修造さんが本気でメッセージしているのが素晴らしいんです!このキャンペーンの動機が人を不幸にしたり不快にさせたりする要素の少ないという意味で「善」であるところが好きなんです(笑)

確かに元気でますもんね(笑)最後に小坂さんの夢を教えていただいてもいいですか?

直近でいえば、ウィルフォワードの映像制作事業ウィルフォワードクリエイトの仲間を増やしていきたいですね。映像を使って面白いことを世の中に発信していくような組織にしたいです。クライアントワークだけではなく、映像をコンテンツとした自社メディアの制作にも力を入れていきたいですね。中長期で言えば、漠然としていますが、アニメを制作してみたかったり、映画を作りたかったりという想いもあります。できることならば、その中で原作を担当してみたいですね。小説家になるのが小さい頃からの夢なので!

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