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社内勉強会2017.06.18 Sun

クリエイターが感動を生み出すのは技術か情熱か

成瀬:今日は『ウィルフォワードのクリエイターが身につけるべきマインド』について話をしたいと思います。

クリエイターマインドとは?

みんなカメラマン井上浩輝(いのうえひろき)さんって知ってる?

彼は、キタキツネの写真をメインで撮っている北海道出身のカメラマン。TBSの情熱大陸でも紹介された人。僕は彼の「目的の写真を撮るためならどんなことでもする」という姿勢に共感するし、文字通り「情熱」を感じた。みんなにも放送見てもらいたいくらい。

北海道の美瑛町では朝と夕方の一時間くらい、月に数回だけ空が淡いピンクに染まる時がある。彼は冬場のその瞬間に、丘の稜線を通るキタキツネの写真を撮りたかった。だから、毎日天気を調べて何十回も片道100km雪の中、車を走らせて丘に向かうんだ。当然、キタキツネは動物だから必ずしも現れるわけではない。それでも信じて通うんだ。雪に埋もれてもカメラを構え続けて。

写真を撮る前は、車の中で待機しているんだけど、その時も常にキタキツネの最高の一枚を求めて妄想し、イメージを膨らませているんだ。だから、実際に現れた時は無駄にシャッターを切らないし、自分が「これっ」て、納得がいく一枚が撮れたらパッと引き上げる。

物作りって、「こういうものを撮りたい」とか、「こんなものを届けたい」といった、クリエイターの情熱なんだよ。

情熱ってどういうこと?

僕は情熱とは「エネルギー」だと思う。

時間をかけて、何度もやり直したり、用意周到に準備すれば確かに良いものはできると思う。
ただ、情熱は費やした時間だけじゃなくて費やしたエネルギーに左右される。

例えば、朝の会議一つ例にとっても「皆さんおはようございます。朝の会議を始めます」とお経を唱えるように言うか、「皆さん、おはようございます。今日も一日いいスタートを切りましょう!」とみんなの目を見てエネルギー出して言うかで同じ時間の使い方でも、そこから生まれたものって全然違うわけ。

またディレクションを行う時もそう。僕はよく「祭ディレクション(まつりでぃれくしょん)」という言葉を使うよね。「祭」ってみんなのエネルギーに着火して燃え上がらせる炎みたいなもの。

ディレクションは舞台の上にあって、それをみんなが眺めているだけではなくて、祭りのようにみんながそれぞれエネルギーを出している状態なんだよ。僕は制作における一つの機能が、この祭りを起こすことだと思っている。

物作りの際に各々を感化させてエネルギーを出させていくっていう作業はすごい重要。確かに、個別で着火していくやり方だとやり取りに時間はかかる。でもそういうところのこだわりのエネルギーを出していかないと良いものにならないだよ。

人生は有限なんだから、エネルギーの出し惜しみはすべきではない

生きていてやれる仕事って無限ではないよね。過去を振り返ってみて本当に良かったなって自信を持って言える、自分の人生の代表作みたいな仕事は本当に数えられるくらいしかないと思う。

僕は前職で、一生懸命仕事してきたし命削りながらやっていたけど、その中で誇れる仕事は片手で数えられるくらいしかない。それでもその時代にやりきれたことは、やりきった自分を結構誇れるみたいなところはあるんだよね。

そういうチャンスはかなり限られているから、ボールをもったら常にゴールを狙いに行くみたいな思いで常に取り組めるといいね。

クリエイターの情熱

仕事の大きさは関係なくて、キャッチコピーやブログのタイトルとか、小さな仕事にこそ情熱を持てるか。そういった瞬発的に発想が試される時にこそ、ものづくりへのクリエイターとしての情熱が問われると思う。これがクリエイターとしての面白さであり苦しみだと思う。

スポーツを例にするなら、スポーツ選手は強くなるために日々練習をして、負荷をかけたトレーニングをする。体力的にも精神的にも追い込むから苦しいと感じる時もあるだろうけど、それによって結果が報われることがある。

僕が日々の練習をせずにフルマラソンを走ったとして、簡単に結果が出てしまったらその結果に対する喜びって全くないと思う。

クリエイターとして良い物を作ろうと頑張っていても、現実とのギャップで苦しむこともある。ただそれを乗り越えた時、想いが届いた時に感動がある。その感動をせっかくだから仕事でも味わいたいのよ。

もちろん物作りにおいてかけられる時間、お金、現時点で発揮できるスキルは無限にあるわけではない。それでも常にチャレンジしよう。「知恵と情熱なら負けない!」って。そういう情熱は日々の妄想だったり、イメージを膨らませたり、チャンスがあったら掴みとるっていうエネルギーから来る。

ウィルフォワードで働く人は、物作りに対するこだわりやエネルギーを、結果的に自分の成長や、生きていく上での楽しみだと思ってくれるといいなと思います。

*当記事は、ウィルフォワード代表の成瀬が社内勉強会で話した内容に修正・加筆を行ったものです。